仮にあなたがどんなに不器用であったとしても、どんなに自信がなかったとしても、あなたの表現はすべて素敵なアートになります。
「絵を見るのは大好き。でも…自分で描くなんて恥ずかしくてできない。」
「昔から手先は不器用なほう。でも、アートは大好きであこがれる。」
「アートは才能のある一部の人だけができるものだと思うし、自分にできるわけがない。」
あなたは心のどこかでそんな風に思ってきませんでしたか?
…また、もしかすると
「子供の頃、絵を描いたり物を作ったりするのが好きだった。
でも、周りの評価や比較から、自分には才能がないと気づき、自然と違うことを選ぶようになった。」
「子供の頃は、無邪気に絵を描き、粘土や木材、おもちゃや布切れ、その他にもいろんなガラクタをいじって何かを創ったり、改造したりして楽しんでいた。
でも、その作品が周りから笑われたり、低い評価をされているうちに、いつのまにか自分でも“へたくそ”だと思うようになった。」
と言う方もいるかもしれませんね。
実際、こうした話は私の周りでもよく聞きます。
でも、ちょっとまって…
もしもあなたが、上記のような思いを抱えてきたとしても、それらはすべて間違った思い込みに過ぎないのです。
表現ってなんでしょう?
「絵なんて描けない」
そうおっしゃる方々に「なぜそう思うのですか?」とたずねると、ほとんどの方が
「下手だから…」
「ちゃんと習ったことがないから」
と答えます。
なるほど…確かにそうかもしれません。
では、ちょっとこの絵を見ていただけますか?
これは「Explosions of Color」(色の爆発)というタイトルがつけられた絵です。
タイトル通り、美しいパステルカラーの色彩が弾け飛んでいますね!
2013年にこのアーティストの絵が発表されると、世界中から絵を購入したいというオファーが殺到しました。
そしてロンドンのチャリティーオークションで830ポンド(約13万円)で落札されました。
どんな人がこの美しい絵を描いたのでしょう?
美大でキチンと絵を学んだ人?
有名なデザイナー?
人気の前衛アーティストかしら?
実は…
この絵を描いたのはイギリスのレスター州に住む、アイリス・グレース・ハムショーちゃん。
この絵はアイリスちゃんが3歳の時に描いた作品なのです。
これを聞いてあなたはどう思うでしょう?
「彼女は天才だから」
「彼女は特別なのよ」
そんな風に思いませんか?
…確かに彼女は特別と言えるかもしれません。
でも、アイリスちゃんのその“特別”さは、みなさんがうらやましく思うような“特別”さではないかもしれません。
実は、彼女は自閉症で、人とのコミュニケーションが上手くできないのです。
アイリスちゃんは、みなさんがたやすく操る言葉もあまり上手く話せません。
でも彼女は画用紙と絵の具を与えられたとたん、瞬く間に先ほどのような作品を描き始めました。
そして、その作品の写真をアイリスちゃんのお母さんがFacebookに投稿すると、たくさんの人が感動し、その絵を買いたいというオファーが世界中から殺到したのです。
アイリスちゃんは、キチンと絵を習ったことはありません。
おそらくそれが芸術であるといった観念自体も持ち合わせていないのではないでしょうか。
ですから彼女にとって絵を描くということは、特別な技術などではなく、ただただ、自分の気持ちや想いを表現しているだけなのです。
きれい、楽しい、嬉しい、悲しい…上手く言葉にできないアイリスちゃんの様々な想いを、色を塗ることで表現しているのです。
アイリスちゃんの描いた絵は、特別なスキルで描かれたからではなく、彼女の無垢なありったけの想いが表現されたものだったからこそ、たくさんの人の心をとらえたのです。
アイリスちゃん作《Rain Drops》出展:Iris Grace Painting
目で見たものをそのまま描くことだけが絵を描くということではありません。
あなたの想いを表現する方法の一つとして、絵を描くという手段があるのです。
- 何かを感じる=楽しい、嬉しい、悲しい、怒り…
- 今の気持ちにあった色を選び、思いのままに色を塗る
このシンプルな2ステップだけで、あなたはアイリスちゃんと全く同じように自分の想いを表現(=絵を描くこと)することができるのです。
あなたの想いを表現するのに、デッサンとか構図とか絵の基本が必要でしょうか?
あなたの想いに、上手とか下手とかあるのでしょうか?
あなたが楽しくてたまらない気持ちで描いた絵なら、見た人は楽しい気持ちになるでしょう。
あなたが悲しい気持ちで描いた絵なら、見た人は悲しくなるでしょう。
それが、表現というものなのではないでしょうか。
あなたの想いに出会いたくて
このブログは、美しいものや素敵なものが大好きなあなたのために、様々なアート作品やアーティスト、そして、私がやっとめぐり逢えた表現方法の日本刺繍についてご紹介していきます。
そして、あなたがあなたのための表現方法を見つけるために、少しでもお役に立てる情報を発信できたらと思っています。
…でも、本当に伝えたい事はもっとシンプル。
それは、
「あなたの中の創造性を形にしてほしい。」
という想いです。
なぜなら人は皆アーティストであり、必ず誰かを感動させる本質を持っているからです。
あなたがもし
「私は手先が不器用だから…」
「センス(才能)がないから」
「絵がへたくそだから…」
などと思っていたとしても、それらはすべて「誰かからの刷り込み」であって、全く真実ではありません。
どんな有名な芸術家の作品よりも、名もないアーティストの素朴な作品に感動してしまうことってありませんか?
それこそが表現の世界の本質なのです。
もし、あなたが誰かの言葉によって表現し創作することをあきらめてしまっているのだとしたら、一日も早くそんな幻想から自由になってほしいと思っています。
あなたは、自分自身を表現する方法とまだ出会っていないだけ。
もし自分に合った表現方法に出会い、あなたの想いが形になれば、それは必ず誰かの心を動かすアートになるのです。
「表現」とは「新しい希望」
ここから少しだけ、私のことについてお話させてくださいね。
私は約10年以上前までは、美大まで卒業したと言うのに自分自身を表現する術を見出せないまま、「このままなんの希望もなく、辛く寂しく孤独に過ごすしかないんだ…」と思っているような人間でした(笑)
小さい頃から人とのコミニケーションが大の苦手で、周囲との関係性から生じる様々な抑圧や葛藤から逃げるために、本当に何十年もの間、心を閉ざしたまま世界に背を向けて生きてきたのです。
想いを伝える一番簡単な表現方法は「会話」ですね。
でも、私は会話がとても苦手でした。
アイリスちゃんと同じで、自分の想いや考えを上手く言葉にすることができなかったのです。
…そんな私がとった行動は、小さな狭い世界に閉じこもることでした。
極力人と関わるのを避け、ただただ人から逃げ続けました。
そして、そんな不器用な自分を責め、私は何のために生まれてきたのだろう、このまま生きていても辛くて苦しいだけ、生きていたってなんの意味も価値もない…
そんなふうに何年も悩み続け、「死」の選択肢さえリアルに考えるほど苦しみ続けました。
今思えば、この時の目に見えない悩みや苦しみというのは、自分に最適な表現方法を探し求めていく過程そのものだったのかもしれません。
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そんな私の人生に、様々な希望の扉が開き始めるきっかけが訪れます。
私にできることは何か、私がやりたいことは何か、何年も悩んで悩んで、探して探して求めて求めて、求め続けてやっと一筋の光を見つけました。
「京繍(きょうぬい)」という京都の伝統工芸である日本刺繍に出会ったのです。
やっとめぐり逢えた京繍という日本の伝統技術は、1,000色以上にも及ぶ絹糸の美しい色のバリエーションと、世界にも類を見ない繊細な技法を駆使し、私にとって言葉の代りにすることができる最高の表現方法でした。
それは、ミリ単位のこだわりをもってこそ成り立つ表現方法でした。
その繊細さゆえ、ひと針ひと針と針を重ねて行く度に、まるで写経のように研ぎ澄まされた集中状態と癒しをもたらし、私を浄化してくれたのです。
私はむさぼるようにこの表現にすがりました。
この瞬間、私は今、生きている!
今この時だけは、確実に私はここに存在している!と感じられたからです。
でも、そこに私の想いのタケをぶつけてはいるものの、それはすべて自分自身のためだけでした。
誰のためでもありません。
それはごくごく私的で、ある意味孤独にとぎ澄まされていっただけの「なにか」に過ぎなかったのです。
…ところがある日、
誰のためのモノでもなかったはずの表現が、たくさんの人の反応を引き出し、喜んでいただける作品になっている事に気がついたのです。
想いを伝えることができると人生は動き始めます
誰だって人はみな自分のことを伝えたいはず。
実は、多くの人は自分に合った表現方法と巡り会えていないだけなのではないでしょうか?
想いが伝わらなければ自分を理解してもらうことはできません。
そして、それだけではなく、自分自身の本当の想いに気付くこともできないのです。
では、自分に合った表現方法と出会うと人はどうなると思います?
当たり前ですが、もうとにかくそれに夢中になります(笑)
私の場合、日本刺繍という、自分の想いを注ぐことのできる器が見つかったことで、長年自分の中に溜まっていたモノが一気に溢れ出しました。
そして、夢中になって私の中の「何か」を表現すればするほど、私の人生は大きく変化し始めたのです。
「大好きな日本刺繍をもっとたくさんの人に知ってもらいたい!」
その想いが臨界点を超えたとき、私は「人付き合いで疲れる」と評判のFacebookを始めてしまうという暴挙にでました(笑)
そこからは、SNSのすさまじいパワーを身をもって体験していくことになります。
Facebookを通して、私の作品があっという間に何千人という人たちに拡散していった結果、想いを共有しあえる仲間と出会うことができました。
そしてさらにその出会いは、私が閉じこもっていた時には考えられなかったような新しい扉を開いていきます。
それは、本格的にFacebookをはじめてわずか2年が過ぎた頃。
なんと私の元に、京王百貨店で個展を開かないか?というオファーがきたのです。
京王百貨店というメジャー級ステージでの個展は、無名作家に過ぎなかった私にとって、ある意味「ありえない!」と言ってよいほどのオファーでした。
ところが、Facebookを通じて知り合った人々が毎日訪れてくれたことで、来年も個展をつづけてほしい!と言うオファーまでいただくことになってしまったのです。
あなたの想いを伝えるツールを一緒に探してみませんか?
あなたがもし今、生きづらいと思っていたり、諦めてしまっていることがあるのだとしたら、それは「自分の想い」を上手く伝えることが出来なかったからではないでしょうか?
言葉で表現できない感情を抱えたまま、人に伝えられないのは辛いですよね。
自分でも自分のことを理解したいけれど、どうしたらいいのかわからない…。
でもそれはあなたが不器用なわけでも、コミュニケーション能力が低いわけでもないのです。
ただ、自分自身を表現する方法と出会っていないだけなのです。
自分に合った表現方法と出会えれば、誰でも必ず変わることができるのですから。
私はこのブログで、あなたが自分に合った表現方法を見つけるために、少しでもお役に立てる情報を発信して、あなたの中の創造性を形にするお手伝いをしていきたいと思っています。
そして、あなたが自分のための表現と出会うきっかけになるような、いろいろなワークショップを企画していきます。
ちょっとだけ勇気を出して、私と一緒に楽しんでみませんか?
あ、面白そう!
楽しそう!
やってみたい!
こんなのやってもらえないかしら?
…そんな風に思ったら、遠慮なくメッセージをくださいね。
どうか、いつかあなたの作品に出会えますように。
そして、一人でも多くの方に深く美しい文化が届きますように。
追伸
誰でも自分の作品を、世界中の人たちに届けることができるのです。
線を画面いっぱいに描く
点を画面いっぱいに描く
利き腕と逆で描く
指で描く
筆で描く、はじく、たたきつける
鉛筆で描く
クレヨンで描く
水彩絵の具で描く
墨で描く
色鉛筆で描く
塗り絵
貼り絵
折り紙
粘土
…etc!
誰でもすぐに、その場でできる表現方法がた~くさんあります!
手を使って、指を使って、楽しく夢中になれること。
ぜひ試して欲しいと心から願っています。
プロフィール
花澤 浩子
Hiroko Hanazawa
今まで和装の世界でしか使われていなかった日本の伝統技術の日本刺繍を使って、現代の日常生活に使える作品を制作しています。
Use the Japanese embroidery is a traditional art of Japan , I am making the work .
〈略歴〉
女子美術短期大学グラフィックデザイン科 卒業
女子美術短期大学グラフィックデザイン専攻科 修了
2003年から京繍(きょうぬい)伝統工芸士、下司喜三子先生に師事
2011年 63回三軌展 工芸部 新人賞
2013年 第17回日仏現代国際美術選抜展 奨励賞
2014年 第18回日仏現代国際美術展 会員優賞
2014年 「あわ C’est si bon 4人展」京都・祇園 友々ぼん
2015年 「日本刺繍 花澤浩子展〜絹糸が紡ぐ物語〜」新宿京王百貨店
2016年 「日本刺繍 花澤浩子展〜絹糸が紡ぐ物語〜」新宿京王百貨店
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