会計ソフトのマネーフォワードクラウド確定申告を使うようになって毎年の確定申告がとても楽になったのですが、今年度の確定申告はかなりてこずってしまいました。
その理由は補助金でパソコンを購入したからです。
パソコンは固定資産になるのですが、この記帳をどうすればいいのかがわからなくて大変でした。
たまたま知人に税理士事務所で働いていらっしゃる方がいて教えていただくことができましたので本当に助かりました。
この記事の目次
圧縮記帳は個人では使えない
補助金を受け取って固定資産を購入した時は、「総収入金額不算入」の特例により補助金分を差し引くことができます。
★「総収入金額不算入」の特例の対象にならない補助金や助成金もあるので、計上する際には必ず実施団体に確認してください。
『圧縮記帳』という会計処理をするのですが圧縮記帳に必要な勘定科目『固定資産圧縮損』がマネーフォワードクラウド確定申告にはありません。
勘定科目を追加しようとしても特別損失のカテゴリがありません。
それもそのはず、圧縮記帳は法人税法の会計処理であり個人事業主ではできないのです。
個人事業主が補助金で固定資産を購入した時の仕訳
11/10 35万円のパソコン購入
12/01 20万円の補助金交付決定通知
12/15 20万円の補助金が指定口座に入金
法人の場合の圧縮記帳では以下のように記帳します。
【圧縮記帳の仕訳】
《11/10 パソコン購入》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
工具器具備品 | 350,000円 | 現金(預金) | 350,000円 |
《12/01 補助金交付決定通知》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
未収金 | 200,000円 | 雑収入 | 200,000円 |
《12/01 固定資産の購入金額のうち補助金の金額分を減額する》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
固定資産圧縮損 | 200,000円 | 工具器具備品 | 200,000円 |
《12/15 補助金が指定口座に入金》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
普通預金 | 200,000円 | 未収金 | 200,000円 |
個人事業主の場合は上記の勘定科目の青い文字の部分を事業主勘定に置き換えて記帳します。
【個人事業主の仕訳】
《11/10 パソコン購入》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
工具器具備品 | 350,000円 | 現金(預金) | 350,000円 |
《12/01 補助金交付決定通知》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
未収金 | 200,000円 | 事業主借 | 200,000円 |
《12/01 固定資産の購入金額のうち補助金の金額分を減額する》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
事業主貸 | 200,000円 | 工具器具備品 | 200,000円 |
《12/15 補助金が指定口座に入金》
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
普通預金 | 200,000円 | 未収金 | 200,000円 |
上記の例の場合、工具器具備品35万円の購入に対し補助金20万円をもらっているので、工具器具備品の取得価格は15万円になります。
固定資産台帳には補助金額を引いた15万円で登録します。
『国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書』が必要
「総収入金額不算入」の特例を利用するには『国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書』を確定申告の時に一緒に税務署に提出する必要があります。
最寄りの税務署に『国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書』をe-Taxで送信できるのかお聞きしたところ、e-Taxでは送信できないので別途郵送してくださいとのことでした。
『国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書』は税務署でもらえますし、こちらからダウンロードできます。
国庫補助金等の総収入金額不算入の明細書のダウンロード
★「総収入金額不算入」の特例の対象にならない補助金や助成金もあるので、特例を受ける場合の手続きなど詳細につきましては最寄りの税務署へご確認ください。
確定申告におすすめの会計ソフト
最後に確定申告におすすめの会計ソフトをご紹介しておきます。
【マネーフォワードクラウド確定申告】
私が愛用している会計ソフトです。銀行やクレジットカードなどと連携した自動仕訳がとても便利です。
毎月の記帳をもとに確定申告書の自動作成もしてくれます。
Windows・Mac向けはもちろん、スマホ向けアプリもあるのでどこでも手軽に会計処理をすることができます。
【やよいの白色申告オンライン・青色申告オンライン】
マネーフォワードクラウド確定申告と迷ったのが弥生の会計ソフトです。
記帳に慣れていない初心者でも使いやすいソフトです。
白色申告を途中で青色申告へデータを移行して切り替えることができるので、青色申告にするかどうか迷っている人にもおすすめです。
確定申告におすすめの会計ソフトをご紹介しました。
記帳作業は仕訳などに慣れるまでは大変ですが慣れてくると会計ソフトは本当に便利です。
1年分の記帳をもとに確定申告に必要な書類を自動で作成してくれるので、確定申告の時の作業が格段に楽になります。
月々のプラン料金や使い勝手などを比べてみて、ご自分に合う会計ソフトを探してみてくださいね。
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