kussunガレージで藍染をしてきたこと

スポンサーリンク

藍染やりませんか?

ブログチャレンジが終わってからほとんどブログが更新出来ていない、日本刺繍の人フローレンです。

先日、日帰りで広島へ行ってきました。
それをツイートしたら、たくさんの人にすごい行動力って言われました。
確かにそうかもしれないけれど、私にとって今本当に必要なことだから動いただけなのです。
普段はほとんど家から出ないでチクチクしています。

ここ最近、私はずっと日本刺繍の作品について悩んでいました。
日本刺繍の固定概念をぶち壊したいと思っていて、でもどうすればよいのか出口がなかなか見つけられませんでした。
来年1月の個展の作品制作をしていても、今ひとつこれでいいのか迷いながら進めていました。

その悩みをわいざんさん(@yzan_travel に相談したところ、返ってきた答えが

「藍染やりませんか」

いやいやいやいや、またまた何をおっしゃいますの、今の私にはとてもそんな時間ありませんって!
来年まで無理ですって即答しました。

実は今、ものすごく忙しいのです。
来年の110日から個展をさせていただくことになり、その作品制作に追われているのです。

来年の1月?まだまだ余裕でしょうって思われた方も多いと思います。

でもね、糸から作る日本刺繍はとにかく時間がかかります。
しかも刺繍が終わればそれで完成ではありません。
刺繍を終えてもこのままではただの生地の状態。
刺繍をした生地をバッグや、名刺入れやいろいろなものに仕立ててもらわなければなりません。
年末年始のお休みを考えると、遅くとも10月中旬には京都の仕立て屋さんへ刺繍した生地を渡さなければなりません。
もう6月、残り4ヶ月半で約30点ほどの作品を仕上げなければならないのですが、まだ1点もできていません!

さすがに無理だと思いながらも迷いつつ、藍染の予定はいつですか?ってお聞きすると

530日にkussunガレージ」というお答え。

私がわいざんさんにこの相談をしたのが525日。
5日後しかもkussunガレージ
実はkussunガレージがある場所は広島なんです。
私は東京在住。さすがにこれは悩みました。

でも、はっとしました。

今は無理って決めつけて、勝手に自分で限界を決めてしまっていることに気がついたのです。

前回のブログチャレンジを提案された時も、いやいやいやいや絶対無理だからって真っ先に思いました。
そして、結果的にはブログチャレンジをしたおかげでたくさんのことを学べて、いろいろなことが流れ始めたことを思い出しました。

そうなんです、わいざんさんの提案には何か起爆剤というか加速装置のようなものがあるんです。

それに、藍染はずっとやりたいって思っていたこと。
…ブログは絶対にやりたくないって思ってた(笑)
嫌でなければやったほうがいい、そうすると必ず何かが動き出して良い方向へ進み出すということを今まで実際に何度も経験してきました。

よっしゃぁ、やったるわ~!
ということで、日帰りで初めての広島へ行くことに決めました。

kussunガレージ

kussunガレージって何?って思いますよね。
kussunガレージは東広島にあるとってもおしゃれなコミュニティスペースです。
でも、実はまだ全然内装工事が終わっていません!
冷蔵庫もありません!
目印になるはずのヤシの木は小さすぎて全然目印になりません!
kussunガレージは完全予約制なので、こちらにご登録してからお申し込みくださいね。

kussunガレージは待ち合わせ場所

藍染のワークショップはわいざんさんぽこみちさん(@pokomichi_apple が主催しています。
今回の開始時間は11時。
参加者はその時間に集合して一通り説明を聞いたら藍染スタートです。
後はもうそれぞれ自由にマイペースで好きなだけ藍染をすることができます。

参加者のみなさんに染めたいものを持参してもらうのですが、1つ染めたらもっと染めたくなったり、他の人が染めた作品を見て「私もそれ染めたいから取ってくる」って家に取りにいく人がいたり、急遽駆けつけて飛び入り参加出来たり、それはもうとにかく自由で楽しすぎる場になりました。

 

kussunガレージの目の前の道路は結構車が通ります。
みんなでワイワイガヤガヤ藍染をしていると、前を通りがかったほとんどの車が減速して運転している人がのぞき込むように見ていきます。
中には車を停めてここは何で何をしているのか聞かれる方も。

そりゃ、お洒落なアメリカンガレージのヤシの木(ヤシの木のイメージをくつがえす小ささ)がある素敵な芝生のお庭でたくさんの人が楽しそうに藍染をしていたら、ここは何なの?何やってるの?って気になりますよね。

これは、主催してくれたわいざんさんぽこみちさん藍染専門の先生ではないからこそ生まれた空間なのだと思いました。

もちろんお二人が道具を用意して藍染のやり方を教えてくれるのだけれど、それは指導的なものではなくて、子供が遊び方を知らないお友達に遊び方を教えてあげているっていう感じ。

お友達に教えたら、当然自分たちも一緒になって遊ぶ。
お友達が後からやってくる度に仲間に入れて、また遊び方を教えて一緒になって遊ぶ。

だからもう、とにかく楽しい。

また遊ぼう、今度はいつ遊ぶ?
また藍染やろう、今度は何時やってくれる?ってなる。

これこそが大切なことなのだと思うし、このkussunガレージという場所でこのお二人が主催してくれたからこそ感じられたことなのだと思いました。

kussunガレージはまさに待ち合わせ場所でした。

kussunガレージで藍染をすることに意味がある

あきちゃん絞り

来年の個展が終わってから藍染を始めようと思っていろいろ考えていました。
でも、実際に藍染を体験してからプランを練るのと机上の空論とでは雲泥の差がありました。

私は藍染のやり方を覚えるために準備からお手伝いして、参加者の皆さんより一足お先に染めさせていただいたので、みなさんが藍染をしている様子を拝見することができました。

藍染は完成作品はもちろんなのだけれど、染めに入る前の素材を絞る作業にその人の個性が一番現れると思いました。
優しく柔らかく生地を扱う人。
かなり大胆に生地を絞る人。
迷いつつ悩みながら生地を絞る人。
潔くどんどん作業を進める人。

そうして出来上がった藍染にはその思いが全て現れているのです。
これは本当に面白くて楽しかった。
これぞ藍染の醍醐味です!

藍染スカート

藍染作品

室内藍染

藍染は日本刺繍と似ているところがたくさんあると思いました。
藍染も日本刺繍も作品にはその人自身が見事に現れます。
ただ、日本刺繍はまず技術的なことを覚えなければならず、作品を完成させるまでには時間がかかります。
とても1日では仕上げることはできません。

その点藍染はその日のうちに完成作品を作ることができます。
しかも老若男女、子供から大人までみんなで一緒に楽しむことができるのです。
これって本当にすごいことです。

藍染を覚えるだけならわざわざ日帰りで広島まで行かなくてもって思われるかもしれません。
でも、私にとってはkussunガレージで藍染を体験するってことがとっても重要だったのです。

東京で染色の先生に藍染をカリキュラムどおりに教えてもらえば、ほぼ自分でイメージした通りの模様を綺麗に作れて、望んだ通りの色味に染め上げることができると思います。
藍染はこの道具を使ってこういう風にすればいいんだ、こうやって絞ればこんな模様ができるんだっていうように、教本通りの藍染のやり方を覚えられると思います。

でも、その藍染は私がやりたい藍染では無いのです。

私がやりたいって思った藍染は、このkussunガレージという場にわいざんさんとぽこみちさんが作り上げてくれた空間でやって見せてくれた藍染なのです。

事前に参加申請した人だけではなく、入れ替わり立ち替わりやってきてドタ参加する人たち。
思いがけずも貴重な時間を使ってわざわざ私に会いに来てくださった純ちゃん(@junchankiaあきちゃん(@kiaandcokia ご夫妻。
本当に感動して胸がいっぱいになりました。

そして私もこういう場を作りたいって心の底から思いました。

みんなと一緒に楽しみながら藍染をできる場所を作る。
そこでみんなと楽しみながら染め上げた生地を材料に、楽しくてみんなが笑顔になれるような日本刺繍の作品を作る。

今回染めた生地に日本刺繍をして作品を作ります!
…でもたぶんこの作品は来年の個展には出しません。
別の形でお披露目することになると思います。

行動するって本当に大切。
kussunガレージの藍染を体験したことで、新しい扉を見つけることができました。
わいざんさん、ぽこみちさん、kussunガレージオーナーのくっすんさん(@kussunokio )ありがとうございました。

本当に楽しいので、東京でもみんなと一緒に藍染をやりたいなぁ。
藍染はとにかくお水をたくさん使うので、お水をバシャバシャこぼしても大丈夫なガレージだったり、染料を洗い流してもいい大きなキッチンがあるような場所が必要なのです。
東京近郊でどこか藍染ができる場所を知っていたら教えてください。お願いします。

純ちゃんあきちゃんと

純ちゃん、あきちゃんご夫妻。さりげなくわいざんさん。

スポンサーリンク

優しいクラス開講


【花の日本刺繍教室】

本物の日本刺繍をしっかり学びたい人と気軽に学びたい人へ

日本刺繍の中でも国から伝統工芸として認められているものは、京都の「京繍」と金沢の「加賀繍」だけ。

“繍い”という技には繍う人の心があらわれます。
日本刺繍の最高峰『京繍』の技術を学びながら、技だけではなく作り上げることの喜びも一緒に学びましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

京繍(きょうぬい)と言う日本刺繍に魅了され、日本刺繍でいろいろなものを創っている日本刺繍の人フローレンです。 夢はNYで個展をすること! やりたいって思ったことはとにかくやってみます。 美味しいもの、お酒大好き。 海も大好き。 旅も大好き。(本名:花澤浩子)