今もなお、私たちを魅了し続けるラリックの世界
幻想的でなまめかしい肌合いのラリックのクリスタルはとても女性的。
この風合いを出すためには半透明の乳白色のクリスタルが欠かせません。
この半透明のクリスタルは「オパルセントガラス」といって、アメリカの有名な宝石商ティファニー家のルイス・コンフォート・ティファニーによって19世紀末に開発されました。
自然光を通すと、まるでオパールのようにそれまで見せなかった虹色に輝きます。
ラリックの作品の特徴は アール・デコ様式を代表するスタイル。
自然をモチーフにしている点とオパルセントガラスを使用した点にあります。
なかでも、透明のクリスタルとオパルセントガラスを組み合わせた作品は、優雅さと繊細さ、そして大胆さを合わせ持った、ラリック独特の世界を作り上げています。
また、その形はとても彫刻的で彫像的です。
人体、草花、鳥獣と言ったモチーフをレリーフ状に施し、その表面の凹凸がさらに柔らかさを強調しています。
ラリックの歴史は、当初ジュエリーデザイナーだったルネ・ラリックが、1907年、フランソワ・コティーの依頼により香水瓶を手がけたことが始まりでした。
当時は アールヌーボーからアールデコへの過渡期でした。
自然の有機的なモチーフを豊富に使ってデザインされた作品は、自然界には直線的なものは存在しない!と言わんばかりに、徹底して曲線で構成されています。
光の透過が発色を高める効果を計算しつくし、樹や花、鳥や魚たちをガラスの中で表現したルネ・ラリック。
自然界には存在しない直線は使わずに、優しい緩やかな流線が女性的な優しい世界を織りなします。
ラリックの作品はアンティークショップや箱根の美術館でご覧になることができます。
箱根ラリック美術館
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