お教室で使う日本刺繍針
『花の日本刺繍教室』の生徒さんたちが使うお道具を揃えに京都へ行ってきました。
お教室ではこの写真の針セットをお使いいただきます。
『花の日本刺繍教室』 初級クラスの詳細についてはこちらをご覧ください。
日本刺繍針の種類
日本刺繍のお道具の「針」についてご紹介しますね。
日本刺繍針は10種類以上の太さがあり、それぞれ糸の太さや種類によって使いわけていきます。
私は主に以下の5種類の針を使って刺繍をしています。
- 切付(きりつけ)
- 天細(てんぼそ)
- 間細(あいぼそ)
- 間中(あいちゅう)
- 中太(ちゅうぶと)
手打ち針と機械づくりの針
日本刺繍針には職人さんが1本1本その手で作る手打ち針と、機械で作る機械づくり針の2種類があります。
その差は歴然、手打ち針は生地の繊維を傷めることなくすっと生地に刺さります。
この滑らかな使い心地は針職人さんの技で作られた手打ち針ならではです。
手打ち針と機械づくり針とでは、当然お値段も違います。
機械づくり針は10本で¥700~¥1,000くらいですが………
手打ち針は1本¥1,000以上します!
手打ち針の未来は…
1本¥1,000以上する日本刺繍針……高いと思われますか?
確かに安いとは言えません。
でも、鋼線を真っ直ぐに伸ばし切断、砥石で削って先を尖らせて針先を作り、糸通しの穴開け、焼き入れなど、十数工程を経て、やっと1本の小さな針が完成するのです。
手作業で1本の針が出来上がるまでにどれだけの日数がかかることでしょう!
実は、手打ち針は今ではとても入手困難なものになってしまいました。
手打ちの刺繍針を作る針職人さんが、今では日本に一人しかいらっしゃらないのです。
とても割りに合う仕事ではなく、息子さんから援助をうけながら手打ちの刺繍針を作っているのが実情。
技術の伝承を考えても、食べていけない仕事を他人に勧めることはできず、後継者はいらっしゃらないのだそうです。
伝統工芸は技術だけではなく、その技術を生かすために必要な道具があり、その道具を作る職人さんの技に支えられているのです。
日本で唯一、たった一人の職人さんがもつ貴重な技を、なんとか後世へ残す手立てはないのでしょうか…
切なさに胸が痛みます…
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