先日、日本刺繍の材料を仕入れに京都へ行ってきました。
私の日本刺繍の師は京繍(きょうぬい)の伝統工芸士で京都に工房を構えていらっしゃいます。
日本刺繍の糸はもちろん、東京ではなかなか手に入らない道具を先生にお譲りいただくために工房へお伺いしました。
平安の昔からの職人の町西陣へのアクセスはバスが便利
先生の工房は平安の昔から織物の町として栄えた西陣にあります。
京都駅前(烏丸口)のバスロータリーからバスに乗るのが一番便利です。
道が混んでいなければ20分くらいで西陣の町に行けます。
ただ一口に西陣と言ってもとても広いエリアなので西陣のどこに行くかを決めて降りるバス停を調べておくことをお薦めします。
ここ数年の京都はいつ行っても大混雑で足が遠のいていたのですが、花の日本刺繍教室の中級クラスで必要な道具を仕入れるために久しぶりに京都を訪ねました。
新幹線はそこそこの混み具合だったのですが、いつも何重にもなって並んでいて大混雑の京都駅前のバスロータリーに今回は行列が一つもありませんでした。
それぞれのバス乗り場にも多くて10人くらいしか並んでいませんでした。
コロナウィルスの影響の大きさを改めて実感しました。
国産シルクの刺繍糸を求めて
私の先生はずっと国産シルクの日本刺繍の糸を使っていました。
ところが13年くらい前に糸屋さんが廃業してしまい国産シルクの日本刺繍の糸が手に入らなくなってしまったのです。
今でも手芸屋さんで手に入る日本刺繍の糸は中国やタイやブラジルなどのシルクを使ったものがほとんどです。
実際に使ってみるとわかるのですが、刺繍のしやすさ、仕上がりの美しさが全然違うのです。
「私は国産シルクの糸でしか刺繍できない!」
困った先生は群馬県の碓氷製糸から国産生糸を取り寄せて、ご自分で色出しをして京都で染めて日本刺繍の糸を作ることにしました。
この糸が色の美しさはもちろんですが本当に使いやすくて使いやすくて!
実は国産シルクという他にも使いやすい理由がもう一つあるのです。
絹糸を染めるときはこの写真のように「かせ」という状態で染めます。
染め上がった「かせ」の絹糸を管(くだ)と呼ぶ105mm×17mmの紙管に巻いて行くのですが、先生の工房ではこの管に絹糸を巻く作業を全て手作業で行なっているのです。
優しく手で巻いていくので余計な力がかかって絹糸が引っ張られることがありません。
絹糸が持つ繊細な風合いが残っているのでとても刺繍がしやすくて美しい仕上がりになるのです。
やはり京都には本物のお道具が揃っています
ほしい色がありすぎて山のように選んだ絹糸を悩みに悩んで半分の数に減らしました。
写真の右上にある木のブロックみたいなものは駒(こま)という道具です。
針に通せない太さの糸や金糸を巻いて使います。
今回はこの駒が大事なお目当の一つでした。
花の日本刺繍教室の中級クラスで学ぶ駒取りという技法の時に使うので、新しく中級クラスに進まれる生徒さんのために駒を仕入れにきたのです。
何百というたくさんの美しい絹糸に囲まれていると時間が経つのも忘れてしまいます。
久しぶりにお伺いした京都の工房でいろいろなこともゆっくりお話しできて幸せな時間を過ごすことができました。
そしてやはり本物の良い材料や道具が揃う京都はすごいと改めて思い知らされました。
今年はもう少したくさん先生の工房へお伺いしたいと思っています。
工房を後にして近くにある晴明神社へご挨拶に行きました。
ふと考えてみたら…もしかしてこれが今年初めて参拝する初詣かも!
最近スピリチュアルなアイテム制作にご縁があるので初詣が晴明神社でよかったのかも。
そういえば今日の晴明神社もとても空いていました。
・゚・*.。☆*夢はNYで個展をすること*☆。.*・゚・
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