海外からのお客様のために日本刺繍の1Dayワークショップを開催します

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先日、国内の旅行会社からお問い合わせのメールをいただきました。

8月にアメリカからいらっしゃるお客様のために日本刺繍の1Dayワークショップをしてもらえないか…というお問い合わせでした。
東京都内で日本刺繍のワークショップをしてくれる人を探していた時に私のブログを見てメールをくださったのでした。

ありがたくて嬉しいと思うと同時に、英語がほとんどできない私が外国の方にレッスンなんてできるのだろうか…と不安が湧き起こりました。
でも、躊躇するよりもやってみたい!という好奇心の方がすぐに勝ち、お引き受けすることにしました。

日本刺繍の1Dayワークショップの題材は何にしよう

それからいろいろ考える日々が始まりました。

  1. 一日で刺繍を施して作品として持ち帰れるアイテムは?
  2. 自分で作ることができてアメリカの方でも日常に使えるアイテムは?
  3. 日本らしくてアメリカの方に喜んでもらえるデザインは?
  4. 日本刺繍を初めてする人でも繍える技法は?
  5. どんな生地なら初めてでも刺繍がしやすい?
  6. どんな生地の色が喜ばれる?

 

そうしていろいろ悩んで考えてワークショップの題材を決めました。

  • アイテムはがま口タイプのカードケース
  • デザインは金魚
  • 生地は*地の目がわかりやすいちりめんの生地
  • 生地の色は水中をイメージした淡い色が何色も重なった色

*地の目とは布目のことで、布地の縦、横の織り目のこと。地の目についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

日本刺繍の作品は高価です。千円単位のものはまずありません。総刺繍の着物などになると数百万円もします。なぜ日本刺繍の品物は高いのでしょう?もちろんすべて人の手による手刺繍だからということもありますが、同じ手刺繍でも一般的によく知られているフランス刺繍などの西洋刺繍の品物と比べると格段に高い値段になります。日本刺繍作品はなぜ高価なのか、それにはちゃんと理由があるのです。日本刺繍の値段は刺繍の量で決まるわけではない日本刺繍の作品で大切なもの。図案、デザイン、色彩はもちろんですが、それ以上に大切なも...

デザインについてはかなり悩みました。
日本らしいモチーフは何だろう?
松竹梅にしようか桜にしようか梅にしようか…
さんざん悩んで日本の夏の風物詩である金魚にすることにしました。
アメリカにお帰りになられてご自分で刺繍された作品をご覧になる度に、真夏の日本で初めて日本刺繍を体験されたことを思い出してもらえるといいなという願いも込めて…

初心者でも繍える日本刺繍の技法は…

モチーフが決まったら次は図案のデザインです。

可愛らしく刺繍しやすい図案にしなければなりません。
日本刺繍の図案を描く時に絶対に忘れてはならないことがあります。
それはどうやって繍うのかということ。

ここはどんな繍い方をすれば初めての人でもできるかな…
この角度は初心者が刺繍するのは難しいから描きなおそう…
このサイズだと小さすぎて繍いづらいからもう少し大きくしよう…
この面積だと太い糸で刺繍したほうが良いかも…

絵を描きながらこれらのことを考えます。
日本刺繍は本当に繊細で、角度一つで初心者にはとても難しい繍い方になってしまうのです。

しかも今回は一日だけのワークショップ。
2回目はありません。
確実に一日で刺繍を完成させられるようにどの技法を用いるかを考えなければなりません。

『もやぼかし』で絹の白生地を染める

図案が出来上がったら次は刺繍をする生地の準備です。

日本刺繍は絹地に絹糸で刺繍をします。
今回は地の目がわかりやすいちりめんの白生地を使うことにしました。
日本刺繍の基本は地の目にそって繍うことなので、地の目がわかりやすい生地でないと初心者にはとても刺繍がやりづらくなってしまうのです。

普段の私のワークショップでは地の目にはこだわりません。
なぜなら初めての人が地の目を見ることはとても難しいからです。
でも今回はお客様が本格的に日本刺繍を学びたいとのご要望だったので、あえて地の目にもこだわることにしました。

生地の色は淡い色にします。
生地の色が濃いと目が疲れやすくなり、細かい作業がやりにくくなるのです。

市販で思い通りの色の生地を見つけることはとても難しいので、自分で染めることにしました。
5色ほど使って生地全体にもやのような染めを施します。
『もやぼかし』という染め方です。
計算してできるぼかしではないので同じ染めは二度とできません。
まさに今回のワークショップのための唯一無二の生地になります。

実際に刺繍をして見本を作ります

図案が完成、生地も染まったので実際に刺繍をします。
何色の糸で刺繍するのか、どのくらいの太さの糸を使うのか、どのくらいの量の糸を使うのか、この繍い方で初心者でも繍えるのか、どのくらいの時間がかかるのか…
細々としたことを確認していきます。

そうしてやっと今回のワークショップ『日本刺繍の金魚のカードケース』のキットが完成しました。
このキットを使ってアメリカからいらしてくださるお客様に日本刺繍を体験していただきます。

楽しんでもらえますように。
喜んでもらえますように。

ワークショップの当日が楽しみです。

『日本刺繍の金魚のカードケース』の1Dayワークショップ

海外のお客様と一緒に日本刺繍を体験してみませんか?

日本刺繍の金魚のカードケース 1Day ワークショップ

【日 時】2019年8月20日(火)
     10:30〜16:30
    (12:30〜13:30お昼休み)
【会 場】東京都内(場所の詳細はお申し込み後にご案内いたします)
【受講料】材料費込み 10,000円
【定 員】6名 残1席

⭐️道具はすべてお貸しいたしますので手ぶらでご参加ください。
⭐️図案の水草部分は各自の作業の進み具合によって刺繍するかどうかを判断させていただきます。
 各自の進行状況により金魚と泡だけの刺繍になる場合がございます。
⭐️わいざんオンラインサロンメンバーの方は9,000円で受講していただけます。

・゚・*.☆*夢はNYで個展をすること*☆.*・゚・

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優しいクラス開講


【花の日本刺繍教室】

本物の日本刺繍をしっかり学びたい人と気軽に学びたい人へ

日本刺繍の中でも国から伝統工芸として認められているものは、京都の「京繍」と金沢の「加賀繍」だけ。

“繍い”という技には繍う人の心があらわれます。
日本刺繍の最高峰『京繍』の技術を学びながら、技だけではなく作り上げることの喜びも一緒に学びましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

京繍(きょうぬい)と言う日本刺繍に魅了され、日本刺繍でいろいろなものを創っている日本刺繍の人フローレンです。 夢はNYで個展をすること! やりたいって思ったことはとにかくやってみます。 美味しいもの、お酒大好き。 海も大好き。 旅も大好き。(本名:花澤浩子)