着物の本当のお手入れ方法を知っていますか?《ブログチャレンジ8日目》

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着物は丸洗いしてはいけません!

世界でも数人しかいない機械を使わず手仕事だけのしみ抜き職人の三島正義さん@kokounosyokunin に、着物の襟洗いをご指南いただきました。

三島さんは東京・神田にある三島染色補正店の四代目です。
大切な着物を長生きさせる事に命を掛けていらっしゃいます。

代々続く本物の職人の技で、しみができてしまった着物を見事によみがえらせてくれます。
その技はまさに神業です。
それなのに、その代金は驚くほど懐に優しい良心的なお値段です。
世間に溢れている着物洗い、しみ抜きの類の値段が恐ろしいほどの高額なのだということがわかりとても驚きました。

もっと早くに三島さんと出逢えていたら、母の紅型の着物もしみを隠すために染め直さなくてもよかったのに…と思わずにはいられませんでした。

三島さんは毎日Twitterで正しい着物のお手入れの仕方はもちろん、今の呉服業界のあり方について警鐘を鳴らしています。
それらのTweetからは三島さんの正義感と着物に対する深い愛情が伝わってきます。

その三島さんがたくさんの人たちに伝えたいことがあります。
三島さんのTwitterからいくつか抜粋してみました。

三島さんが何を言いたいのかわかりますよね。

着物は丸洗い(ドライクリーニング)してはいけません!

私が着ている着物はほとんど母のものなのですが、去年何枚かを私のサイズに合わせて仕立て直すまで洗い張りにも出したことがありませんでした。
襟や袖口、裾などに少し汚れはありましたがほとんどの着物がとても綺麗な状態でした。

今回、襟洗いを教えていただくために母が30代の頃に着ていた着物を持参したのですが、
「丸洗いとか何もしていないからこんなに綺麗な状態なのですよ」
と三島さんが教えてくださいました。

考えてみたら母が30代の頃ということは、50年以上も前に仕立てた着物なのですよね。
50年前に仕立てた着物を今私が着ています。
良い反物で仕立てた本物の絹の着物は、半世紀経っても色褪せることなく着ることができるのです。

とっても大切なことをもう一つ。
着物に食べこぼしや泥などの汚れがついても絶対に水で洗ってはいけません!

 正しい着物の襟の洗い方

教えていただいた襟洗いの方法ですが、三島さんが動画を作ってくださっているのでそれをお見せしますね。

ポイント
●ベンジンを使うこと。「エリモト」などは他の成分が入っているので使わないように。
●パキンは着物の生地の縦糸方向(縦地の目)に沿って使うこと。
●同じ作業を3〜4回繰り返しても落ちない汚れはそれ以上触らないこと。

この三島式襟洗いの方法で、袖口も同じように洗えます。

ただ、着物によっては輪ジミができやすいものもあるので気をつけてくださいね。
紬は輪ジミになりやすいそうです。

三島さんの丁寧なご指導のもと、持参した母の着物の襟と袖洗いにチャレンジです。
私が一通り洗った後に、ちゃんと洗えているのかチェックして三島さんが最後の仕上げをしてくださいました。

三島さん襟洗い 三島さん補正

何しろ半世紀前に仕立てた母の着物です。
襟の汚れは落ちても、変色してしまっている部分があります。
変色してしまった部分に三島さんが染料で繊細に色を差していくと、あっという間に元の地色がよみがえりました!
まさに本物の職人技です!

三島さん袖洗い

袖口も丁寧に仕上げをしてくださいます。

自分で襟洗いの実践をするだけでなく最後に三島さんが丁寧に色の補正までしてくださる三島式襟洗い指南、

なんと無料なのです!

今回の襟洗いに使用した道具の材料費の1,000円だけしかかかりません。

襟洗い材料

「お家でたくさん着物のお手入れしてくださいね。
 そして、この襟洗いの仕方を広めてください」

って、こんなに大きな瓶に入ったベンジンと襟洗いに使った道具をくださいました。

はい、広めます!
…ということで、微力ながらブログに書かせていただきました。

着物を着られる方、興味のある方はもちろんですが、日本の職人技に興味のある方は、ぜひ三島さんのTwitterをご覧になってみてください。
本物の素晴らしい知識を得ることができます。

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京繍(きょうぬい)と言う日本刺繍に魅了され、日本刺繍でいろいろなものを創っている日本刺繍の人フローレンです。 夢はNYで個展をすること! やりたいって思ったことはとにかくやってみます。 美味しいもの、お酒大好き。 海も大好き。 旅も大好き。(本名:花澤浩子)